インタビュー

CASE

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ワイナリー兼ワインバーをオープンさせたのは、街の活性化に繋がれば

上山市 起業 / 継業

出来正光(できまさみつ)さん|醸造家

大阪府出身。20歳でソムリエになる。フランスやオーストラリアなどのワイナリーで経験を積み、帰国後は山梨のワイナリー・勝沼醸造でワイン造りを学ぶ。2017年、南陽市のワイナリー・グレープリパブリックの立ち上げに携わる。2019年に独立し、上山市に移住。2023年4月に自身のワイナリー「DROP」を市街地にあったトキワ館跡地にオープン。

■山形での暮らし
【移住を決めたきっかけを教えて下さい】

ソムリエとしてワインをサービスしたり、販売する仕事をしていたのですが、ワインの勉強を兼ねてオーストラリアに行ったときに、造る側のおもしろさを感じていました。そのときに技術交流でいらしていた勝沼醸造の方と出会い、帰国後に働かせて欲しいとお願いしたんです。

その後、ご縁があってグレープリパブリックの立ち上げに参加。2年ほど働きました。南陽市に初めて訪れた際、地域の方に声をかけられて「大根持ってけ~」って言うんです。そんな風に呼び止められた経験はなかったし、「温かい人がいる街だ」と思いました。

上山市に移住を決めたのは、ブドウの栽培地として魅力を感じたから。また市役所の農林課に相談をしに行ったときに、担当の方がすごく好意的に話をしてくれ、良い栽培地にも巡り会えました。そういう人間味の温かさや食文化の豊かさにも惹かれています。


【ワイナリーだけでなく、ワインバーもオープンした理由は何ですか?】

元々ソムリエだったのもあって、お店をやりたい気持ちは最初からありました。市街地にワイナリー兼ワインバーをオープンさせたのは、街の活性化に繋がればと思ったからです。

僕はブドウの栽培地としても、住む場所としても上山市を気に入っています。優れたワイナリーが3つもあって、温泉街があり、城下の風情もある。近くには蔵王温泉という大きな観光地もあります。

それなのに現状の上山市は、観光産業がうまくいっているとは言えません。非常にもったいない状況です。ワインはその土地に根付いて造るのが基本。それならば、僕が上山市を変えていくしかない。そう思いました。


【お気に入りの場所はありますか?】

山形駅前の飲食店にはよく行きます。上山からだと電車で15分ぐらいで行けるので、お酒を飲みに行ったりもしますよ。山形のワインも多く置いているプルピエには、とてもお世話になっていますし、村山市にあるひつじや、西川町の出羽屋、南陽市の遠藤鮮魚店などにも足を運んでいます。食文化に興味があるので、山形自慢の飲食店には遠くても食べに行っています。

■今後のこと
【これから山形でやってみたいことはありますか?】

山形までわざわざ買いに行きたいと思われる価値のあるワインを造りたいです。東京などにもワインを卸す予定ではありますが、あくまでそれは宣伝目的。上山に来ていただいて、ここで直接買いたいと思っていただけるワインにしたいです。

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