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やまがたがたり

山形県庄内総合支庁「食の都庄内」親善大使を務め、海外でもご活躍されているアル・ケッチァーノ オーナーシェフ 奥田政行さんに、山形の魅力を語っていただきます。

食で日本を元気に! その原点は、山形にあります

  • .「日本の食材で、日本を元気に、幸せにすること」を目指して、国内外を飛び回る奥田シェフは、さまざまな土地の魅力にふれているかと思います。そこで単刀直入にお聞きしますが、山形県は“暮らす場所”としては、いかがでしょうか。

    冬をのぞけば最高です(笑)。 でも、雪国で育つからこそ、ということがあるんです。 例えば作物は、厳しい寒さと乾燥の中で生き抜く力を蓄えます。 だから味が強くて、みずみずしいんです。 僕たちこの土地で暮らす人間にとっては、ある作家が言っていましたが「雪は、人は考える動物だということを教えてくれる」と。 他の季節はひたすら走り続けて、冬はスピードをゆるめてリセットする時期。 深く物事を考える良い機会です。 冬があるからこそ春夏秋が最高で、だからこそ食べ物がおいしい。 この風土の最高の産物です。

  • .山形県の四季が、おいしい食べ物を育てる。では、シェフがこの地域に育ててもらったと感じるのはどんなことですか。

    僕は10年ほど前に初めて海外のフェアへ山形の食材を持っていきました。 その時のお客さんの反応で、山形の食材が世界で通用することを知ったんです。 はっきりとした四季の中に、世界レベルのものがいっぱいあると。 また、季節とともに空気の香りも変わりますよね。 僕はこの風土の香りで育ったことで、いろんな動植物の香りが分かるようになりました。 よく他の土地に行くと「奥田さんは嗅覚が鋭いですね」と言われますが、僕は山形で培った感覚を言葉にしているだけなんです。 庄内、山形でやってきたことを日本中や世界に持っていったら、面白がってもらえて、喜んでもらえた。 昨年(平成27年)発売した本(『地方再生のレシピ~食から始まる日本の豊かさ再発見~』共同通信社)も、庄内でやってきたことを書いたらベストセラーになりました。

  • .各地を行き来していると、東京にいるほうが移動はスムーズですが、あくまで山形を拠点にされるのはなぜですか。また、各地では「山形の奥田です」と山形を冠にして自己紹介されるとうかがいました。

    全国のいろんな土地が元気になれば、日本全体が元気になる。 そのために僕は料理人として、「食」を媒介に、さまざまな土地をよく知って、その地方ならではの料理を作って回っているんです。 そうすれば食で地域を元気にすることができると思っています。 土地の生産者と消費者をつないで、さらに他の土地ともつながっていける、そんな料理人が増えていけば日本は少しずつ変わっていくんじゃないかなって。 山形に拠点を置くのは、この土地の「旬」が僕の基準であることと、たくさんの人に助けてもらったご恩が根底にあるからです。 皆さん「誰かのために」という気持ちが根っこにあって、いつも受け入れて見守ってくれる。 人を大事にする気持ち、それは人間にとって“最初の気持ち”ですよね。 要は、愛があるってことです。 だから子どもを育てるなら山形がいいです。

  • .シェフの次なる目標、展望は。

    いずれは世界からたくさんの人が来るような、そんな山形にしたい。 そして僕は山形県のアイドルになりたいです(笑)。 私たちには奥田シェフがいる!って思っていただけるように、これからもがんばります。

PROFILE 奥田政行さん

昭和44年、鶴岡市生まれ。帰郷後、平成12年に「アル・ケッチァーノ」を開店。 平成16年から、山形県庄内総合支庁「食の都庄内」親善大使を務める。平成18年にはイタリアのスローフード協会国際本部主催「テッラ・マードレ2006」の世界の料理人1000人に選出。 すべての食材が育った環境や持ち味を多角的に考察し、自然科学や民俗学など、あらゆる分析をまじえた調理・食理論を確立。平成22年「第1回 辻静雄食文化賞」、平成24年「山形新聞3P賞平和賞」をはじめ受賞歴も多数。 ダボス会議をはじめとする世界の舞台でも腕を振るう。今年(平成28年)、有志らがサポータークラブ「奥の食道」を発足。 http://www.alchecciano.com/support.html奥田食理論をまとめた『食物時鑑』を平成28年発刊予定。

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